説明文 |
  農芸化学者。
  新庄市小田島生まれ。旧戸沢藩士平塚栄次郎の三男。新庄中学校から宇都宮中学校に転校、第二高等学校、東京帝国大学農科大学農芸化学科に進む。大学卒業後、大学副手として鈴木梅太郎の研究室で学び、翌年、新設された蚕業試験場に赴任、蚕糸の研究に従事する。
  その後の蚕糸学に関する業績は、(1)絹糸生成及び蚕栄養に関する基礎的研究、(2)蚕糸生産利用に関する科学技術的研究、(3)蚕糸化学体系の確立、(4)製糸技術の標準指標と製糸技術経営診断の研究、(5)絹の優越性能の本質的研究など、多方面に大きな功績を残した。
  昭和25年以降、農業技術研究所長として敗戦後の荒野と化した国土の復興に、農業技術の研究、指導、また科学技術の行政の面から大きく貢献した。日本学士院会員(1951)。山形県農林水産技術会議会長(1963)。文化功労者(1971)。
  新庄市名誉市民第一号(1972)である。
  (「平塚英吉履歴」等による)
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